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雨
抱いてみたいと思ったから抱いてみた。
ツンと澄ました黒猫みたいな顔が乱れる姿がみたいと思った。
そして彼は私の下で乱れていた。
私が上になり、硬くなったものを太ももで挟みながら両手で根本からキュッと締め上げ、リズミカルに腰を振った。
そうするとお互いの性器は熱くぬるぬると滑っていった。
湿った水音と切ない吐息が薄暗い部屋にこだまする。
──切ない吐息は私の下で喘いでいる彼のものが大半だったが。
「んっ……はぁ、やばい……あ、イキそ、う」
艷やかな黒髪に色白のきめ細やかかな肌。
整った顔のパーツが羞恥に歪んでいた。
しかしどこか柔らかい印象で。
身体も大人に成り切れてない幼さが残り、丸みがあった。
ただ、目元のホクロだけがとんでもなく色ぽっくて。なんだかちぐはぐした印象だった。
そしてしなやかな細い身体を見て。
この子、大学生とか言っていたけれどひょっとして高校生では……。
私がついそう思って滑る指先に力をいれてしまった。そしたら手の中のものがドクンと大きく脈打ってと私の手とアソコに熱い液体を感じた。
「……っ、急にとか、ずるいっ」
「あ、ごめん」
非難めいた声と同時に少しだけカルキ臭がフワリと漂った。
白い肌に薄っすらと汗を滲ませながら挿れる前に果ててしまった彼。
「ごめん、興奮しすぎた」と、所在なく私の下で両手で顔を隠して恥じらっていた。
──乙女か。
その花も恥じらう姿を見て初々しさを感じた。
本当に高校生だったら。
これでは私がインコー罪とやらで捕まってしまう。
なのでここではその事に一切無視をして、彼の上に跨ったまま、彼の胸に手を着いてベット脇に置かれたティッシュを取って手を拭った。
薄い彼の胸板はとてもしっとりとしていて、心地よい熱を感じた。
──それと同時に私の指先は冷えていくのを感じた。
ぬらりと光る白い命の液体。
それを見つめながら私は命を何匹殺しているんだろうかとふと、考えてしまった。
ただ、そんなそんな事を考えながらも私もこの先の続きがしたくてここで止める気にはならなかった。
「千鶴の太モモと手が気持ち良すぎて、ごめん……」
「こっちこそごめん。思わず力いれちゃった」
「でも、まだ全然大丈夫だから。中でイきたい。イかせて」
ゆるりと背中に手を回して下から私の胸に口付ける彼。
乳首を丹念に吸われて、つい赤ちゃんもこんな感じで必死に乳首を吸うのかなとか思った。
しかし、柔らかい舌で執拗に舐め上げたりはしないだろうなと思った。
「ん、気持ちいい……」
私はそのまま彼の頭を抱きしめ、胸を彼に押し付けた。
そうして私の太ももに当たるやわらかいものが硬くなっていくのを感じた。
──今だ名前も知らない彼。
さっき初めて合った彼。
そして、その彼が乳首から唇を離して私の首に抱きついて耳元で囁いた。
「その、実は。初めてで……この先の場所を教えて欲しいんだけど……」
そう言うと、ゆっくりと私の下腹部に手が伸びた。
くちゅっと音が漏れた。
ソコに触れても良いのか戸惑うような、形をなぞる指先がもどかしくて。
結婚する彼とは全く違う、辿々しくて繊細な彼の指使いにどうしようもなく興奮してしまった。
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