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キスであっという間に夢中になる彼は可愛いと思った。 彼の舌は女の私より水々しく柔らかだった。 男が若い女に夢中になるのはこういう事なのかと思った。 舌が絡む程に私の下腹部もどんどん切なくなってきた。 それは彼も一緒のようで、指は既に抜かれて硬くなったものを下腹部にぐりぐりと押し付けられた。 繋がった舌をほどき、繋がる部分を変える。 彼は指で場所を覚えたらしく、始めてだといったがすんなりと私の入り口に充てがってきた。 彼は熱く潤んだ瞳で私を見つめながら、その視線を少し泳がした。 「挿れ、る前にゴム着けないと……」 「……あとでピル飲むから、そのままでいいよ」 「でも」 「大丈夫。出来ないから。それにもう我慢出来ない」 私は股をぐっと開く。 わかったと、小さく頷く彼。 そしてぐっと私の中にぬるりと、入ってきた。 指なんかよりも熱いものが内側を刺激して、擦り上げられて、ただ前後に挿入を繰り返す動きがたまらなく気持ち良かった。 明みたいに私がどうしようもなく、泣くほどに せがむ程に、焦らされて、焦らされて、お預けをくらうセックスとは違う、ただがむしゃらな感じが、学生のあのときの事を思い出して興奮した。 そして程なく、彼は私の中で果てた。 私も最奥を突かれて軽くイクことは出来た。 これで十分だと思った。 そして彼はゆっくりと私の中から出ていった。 その時になんとも卑猥な、ぐちゅっと音がした。 「は、あ。すご……」 「うん、良かったよ。ありがと」 私は熱い彼の背中を軽く撫でた。 それだけで彼はびくりと震えた。 「っ」 「あはは、今全身過敏になってるよね。ごめん。ごめん。でも、猫みたいで可愛かった」 「からかわないでよ」 私はその反応が可愛いと思いクスクスと笑ってしまった。 「それより、その薬飲んで……いや、別に出来ても──」 彼が言いにくそうに言うので「そうだよね、心配だよね。ちょっと飲んでくる」と、私はさっとその場を離れた。 ついでにシャワー浴びてくると私は浴室に向かった。 そして一人でシャワーを浴びながら。 水音に紛れこませながら呟いた。 「絶対に出来ないよ──子宮ないから」 知らない誰かと夜を過ごすにはなんて便利な身体だと思った。
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