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「ただいまあ」  疲れて帰って来た彼女は、僕の姿を見て「どわ」と驚いた。彼女が倒れ込むべきソファーを僕が占拠していたからだ。 「どうしたの」 「どうもしない」 「どうもしないことないでしょ。体調悪い?」  彼女は心配そうに僕の顔を覗き込んで気付く。 「……泣いてたの?」  僕は「気分が落ち込んじゃって、コンビニ(しごと)にも行けなかった」と正直に答えた。 「そっか」  彼女は優しくそう言うと、僕の身体を抱き締めた。 「疲れちゃったんだね。いつも頑張ってるから」  僕は「君の方が頑張ってる」と咄嗟に答えた。 「頑張ってるって、人と比べるものじゃないから。どれくらい、って量で測れるものでもないし」  彼女はぽんぽん、と僕の背中を優しく叩いた。 「君はいつも頑張ってるよ」  その言葉にまた涙腺が緩み、ダムが決壊したように勢いよく涙が溢れる。
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