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なんの話だ
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ワン、ワンワン!
甲高い鳴き声が響く。
私はそれを追いかけながら、叫ぶ。
「待って――」
前方の長身が振り返って、逃げた仔犬を抱き上げた。
「すみません、この子、急に走り出しちゃって」
「ははは、いいですよ。元気で可愛いワンちゃんですね」
息を切らせながら謝る私に、爽やかイケメンが微笑んで……。
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「――っていうの、どうかな?」
「うんうん。まさに"妄想"コンテストだな」
僕はいま読書に忙しい。
夢見るように語る妹の話を、テキトーに聞き流す。
(うるさいから、部屋に戻ろ)
「それで素敵な出会いをした私は、そのままその男性と恋に落ちて……」
「お前、食堂の彼はどうなったん?」
雑誌片手に、ついツッコんでしまった。
大体うち、犬飼ってないだろ。
― おわり ―
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