終末の騎士団

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 キールは瓦礫に足を取られないように懸命に走り、そして安全な場所と判断したところでマルクと共に後ろを振り返る。  そこではドラゴンを囲んだ終末の騎士団たちが攻防戦を繰り広げていた。そして先程、キールたちを助けてくれた男がドラゴンへと駆け寄る。一気にその距離を詰めて、男はシルバーの剣を深々とドラゴンの心臓へと突き立てた。  ドラゴンは一瞬だけ大きく目を見開くと、そのままバタリと大きな体躯を倒す。 「おぉ――――――!」  それを遠巻きに見ていた村人たちから歓声が上がった。キールはその姿を呆然と見つめるしか出来なかった。  ドラゴンの急襲はこうして解決したものの、キールたちの村は壊滅状態となり、焼け残った家々の残骸があちらこちらに点在していた。それでも村を救ってくれたことに変わりはないこの、終末の騎士団たちを、村人たちは精一杯もてなそうとした。 「我々は、この後このドラゴンの巣へと向かうことにしているので」  終末の騎士団の団長はそう言うと、村人たちのもてなしを断り出立の準備を進めていく。それを見ていたキールは団長の前にやって来ると、 「なぁ、おじさん。どうしたら俺も、おじさんのように強くなれる?」
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