強くなること

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 終末の騎士団が去ってから、村人たちは村を再建すべく使えそうな木材をかき集めたり、家を建て直したりと大忙しになった。マルクも幼いながら、その村の再建を手伝っている。  しかしキールはと言うと、 「はぁっ!」  木の棒を剣に見立て、その棒で素振りをしていた。村の再建の手伝いをする様子は全く見られない。始めはそんなキールへ村の大人たちも難色を示していたのだが、何を言っても、 「俺は強くなるんだ!」  そう言っては村の再建を手伝う素振りを見せないキールへ、村人たちもあきれ果て、もう声をかける者もいなくなっていた。  そんな村の雰囲気に気付く様子もなく、キールは素振りを続けるとその棒を持って村の外へと出た。村の外には小型のモンスターが歩いている。このモンスターたちは村にとって直接的な害のないものだった。しかし、 「おりゃーっ!」  キールはそんな害のないモンスターをめがけ、棒を振るった。もちろん、小型のモンスターたちは逃げ惑う。それでもキールは追いかけ、追い詰め、そしてモンスターを倒していった。 (俺は、強くなってる……!)
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