3人が本棚に入れています
本棚に追加
終末の騎士団が去ってから、村人たちは村を再建すべく使えそうな木材をかき集めたり、家を建て直したりと大忙しになった。マルクも幼いながら、その村の再建を手伝っている。
しかしキールはと言うと、
「はぁっ!」
木の棒を剣に見立て、その棒で素振りをしていた。村の再建の手伝いをする様子は全く見られない。始めはそんなキールへ村の大人たちも難色を示していたのだが、何を言っても、
「俺は強くなるんだ!」
そう言っては村の再建を手伝う素振りを見せないキールへ、村人たちもあきれ果て、もう声をかける者もいなくなっていた。
そんな村の雰囲気に気付く様子もなく、キールは素振りを続けるとその棒を持って村の外へと出た。村の外には小型のモンスターが歩いている。このモンスターたちは村にとって直接的な害のないものだった。しかし、
「おりゃーっ!」
キールはそんな害のないモンスターをめがけ、棒を振るった。もちろん、小型のモンスターたちは逃げ惑う。それでもキールは追いかけ、追い詰め、そしてモンスターを倒していった。
(俺は、強くなってる……!)
最初のコメントを投稿しよう!