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ここはグゥスカ王国。
世界でも有数の大きな王国だ。
経済も技術も発展しており、国民はある程度不自由なく平和で穏やかに暮らしている。
なかでも技術は世界でもトップクラスに長けていて、グゥスカ王国の城内には軍事・医療の二つの研究所が設けられている。
それぞれ王室軍事研究所・王室薬剤研究所と呼ばれる。
王室軍事研究所は、敵国の襲撃から王国を守るための防御壁や反撃用の兵器の開発をしている。あくまでも国を守るための武器や防具の開発……と言っているが、どこまで本当かはダミ子は知らない。
一方、ダミ子の所属する王室薬剤研究所は、病気を治す治療薬や流行り病に対抗する新薬を開発する薬剤の調合を目的にした研究所。
ここでは薬品や医療の知識に長けた優秀な薬剤師たちが日々王国のために働いている。
「ったくあんたは毎度毎度……他にやるべきことがあるでしょう」
「やるべきことって?」
「小首を傾げるな。可愛くしても私には通用しないわよ」
「ちぇ」
唇を尖らせるダミ子を尻目にカモミールは「はぁ」と二度目のため
息を吐く。
「……永眠病を治す新薬の開発よ」
「ああ、あの厄介な流行り病ね」
同僚の言葉にこれまでふざけていた表情を変える。
「王様はのんびり構えがちだけど、最近ここらも危ないって噂よ。場所によっては住人全員が眠ってしまった村もあるって噂も話」
「へえ、深刻化してるんだね。あの病気」
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