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第一章:薬剤師ダミ子の日常
ある日、研究所が爆発した。
大きな衝撃音に続いて爆風が巻き起こり、部屋にあった標本や実験道具が吹き飛んだ。
壁は無惨に抉れ、床は煤だらけになり、周囲は煙でもくもくと包まれる。
それはもう悲惨な光景だった。
「うーん、また失敗」
やっちまったなー、と半壊になった研究所から妙に落ち着いた声でダミ子は呟いた。
自身にまとわりつく煙にむせりながらもミルクティー色のウェーブがかった髪をわしわしとかき、爆発で曇った眼鏡のレンズを雑に指でぬぐい視界をクリアにする。
「今度こそ成功すると思ったんだけどなぁ」
ため息。
本日も我が研究は失敗なり。
たった今、ダミ子の手によって爆破されたこの研究所は我が国・グゥスカ王国が運営している、常に最先端の薬を開発するために優秀な薬剤師たちを集めた王室薬剤研究所だ。
そしてダミ子はここの王室薬剤研究所で働く薬剤師である。
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