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はっきりした記憶がないのに、おかしいだろうって思うだろう。
けれど、きっと彼女は僕にとってすごく大事な存在だった。
彼女はまだ若い。おそらく、孫娘だろうと想像する。
笑ってくれたら、一安心する。
悲しそうな顔をしていたら、心配になる。
それを繰り返しているうちにこの世から消えるタイミングを逃してしまった。
今日も彼女は何かを考えながら、歩いている。
またなにかあっただろうか。一人で大丈夫だろうか。
いつまでもこうしているわけにはいかないことは分かっている。
けれど、君がずっと笑ってくれたらいいのに、と願わずにはいられない。
誰かいい人が君のそばにずっといてくれたら安心出来るのに、と願ってしまうんだ。
そんなじじぃのお節介なんて、君にはもう届かない。
だけど、もう少しだけ。
もう少しだけ、そばにいさせてほしい。
じぃちゃんの最期のワガママだから。
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