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彼女は今日も下を向いて、ぼんやり歩いている。
嫌なことがあった日はいつもそうだ。
家族がいないわけではない。
友達がいないわけでもない。
笑っている日もたくさんある。
仕事もちゃんと行っている。
けれど、時折すごく寂しそうな顔をしている。
彼女は、自分のなんだったのか。
それさえもはっきりと分からない。
けれど脳裏に浮かんでくる彼女の笑顔。
彼女の声。
小さかった手。
生まれてきてくれたとき、すごく、すごく、生きてて良かったって思った。
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