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「そうだったんだね…。
ご冥福をお祈りします。」
少しの沈黙の後、夫がそう言って頭を下げた。
私も慌てて頭を下げる。
「君も、辛い時にプレゼントを届けてくれて、本当にありがとう。」
今度は青年の目を真っ直ぐに見つめて言った。
「いえ、祖母の事は前から覚悟していたことなので…。
それに、僕もみやちゃんにはとても感謝しているんです。
みやちゃんのお陰で、祖母は幸せな最期を過ごせたと思います。
祖母は、もう何年も前からいつ亡くなってもおかしくない状況でした。
病院が嫌いな祖母は自宅療養になったのですが、両親は仕事と介護で忙しく、僕も大学とバイトで、祖母との時間を過ごすことが出来なかったんです。
祖母は段々と心を閉ざしていき、会話も殆どしなくなりました。
そんな祖母が、みやちゃんと出会ってからよく喋るようになり、笑うことも増えました。
家族との他愛もない会話も増え、両親も喜んでいました。
本当に、みやちゃんには感謝しています。」
青年の言葉に、涙が溢れそうになった。
「ありがとう。」
心から、もう一度お礼を伝えた。
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