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「今夜の私はサンタなの。サンタなんだから何だって出来るのよ。さぁ、早く私を中に入れてちょうだい」
そういって、サンタ美女は、堂々と部屋に入ってきた。
レディに対するようにエスコートしたジュリアーノが、感極まって目をうるうるさせる。
「ジョルジャ母さん……! 本当に死んだはずの母さんなんですか? まさか本当に会えるなんて、夢みたいです」
「そうよ! 今夜は奇跡の日ですもの」
ジョルジャはストレートの黒髪を揺らして振り返り、笑顔できっぱりと断言した。
ジュリアーノはますます感激した。手放しで褒める。
「うわぁ~! すごい! これは奇跡です! こんな願いが叶うなんて、さすがはクリスマスです!」
天然なままピントのボケた息子を置いて、美女はレオナルドを振り返った。
腰に手を当て、きつい眼差しで、養父のことを睨みつける。
身を乗り出すようにして、養父を威圧した。
「ところでレオナルド、あなた、うちの息子を養子にしたんですってね?」
冷や汗をかき、しどろもどろに、養父が答える。
「あ、ああ、お前が死んだ後に私が引き取って、育てたんだ……」
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