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「私が聞きたいのはその先よ! 別邸に住まわせて、愛人にしてるんですって!? どうりで私と寝ないと思ったら、そういう趣味だったの!? どういうことよ! ゲイなのはいいけど、よりによって私の息子を狙うなんて信じられない! 変態!」
「うう、しかし大人になるまで手は出さなかっ……」
言い訳する養父をひっとらえ、最後まで言わせずに、母は往復ビンタをその頬に食らわせた。
喉元をつかみ、容赦なく張り手をバシバシと食らわせる。
「何歳でも同じよ! うちの息子におかしな真似をしないでちょうだい!」
「う! ぐ! いた! ぐはっ!」
養父の頬に、苛烈な往復ビンタが連打される。
見るにみかねて、間に止めに入ったのは、ジュリアーノだった。
母の腕にしがみついて、何とか養父への暴行を止めようとする。
「母さん、やめて下さい!! お願いです、それ以上は……! あの、レオナルドにはお世話になっているんです。良くして頂いてます。本当です。彼が居なかったら、私は生きていることは出来ませんでした。今の私が平穏に暮らせているのも、全てレオナルドのおかげなんです」
ジョルジャはビンタをする手を、ピタリと止めた。
丸い目をして、息子のことをまじまじと見つめる。
ジュリアーノは、泣きそうな目で母を見た。真剣な眼差しだ。
「あら。そうなの?」
「ええ。ですから、それくらいで勘弁してあげて下さい」
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