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「ジュリアーノ、あんたが納得しても、私が納得出来ないのよ! この男にはちょっと活を入れてやらないと気がすまないわ!」
ジョルジャは、側にあったツリーに手を伸ばし、飾ってあるモールを引っ張った。
そのまま、養父の首に巻きつけ、引き絞る。
ツリーのキラキラしたモールに、首を絞めあげられるレオナルド。
ギリギリギリ…。
「ジョルジャ、ギブ! ギブ!」
悲鳴を上げた養父が、プロレスのリング……いや床を叩く。
だがここには、レフリーは居なかった。
養父が必死にジョルジャに抵抗するが、ハイヒールの靴で足蹴にされた。
クリスマスの楽しい我が家のはずが一転、修羅場に!
「母さん! もういいですから、止めて下さいーー! レオナルドが死んでしまいますーー!」
耐え切れなくなったジュリアーノが、必死の顔で二人の間に割って入った。
レオナルドのことを、身をていしてかばい、サンタ母に向かって懇願する。
その腕には、すでに気絶した養父が抱かれていた。
「お願いです……止めて下さい……。彼が居なかったら、私は……私は……」
息子は泣きそうな瞳で、綺麗な眉を寄せ、震える声で哀願する。
養父を抱き寄せたジュリアーノは、母をしっかりと正面から見つめていた。
怯えているのか、フルフルと身体が震えている。
それでも、養父のことを守ろうと、涙目の眼差しは必死の決意を見せていた。
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