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ジョルジャはその美貌を曇らせた。
今度はジュリアーノに向かって、問いかける。
「その様子を見ていると、あなた達、幸せそうね……。両思いってこと? ジュリアーノ、私が聞きたいのはあなたの気持ちよ。あなたのはレオナルドを愛してるの? 愛していないの?」
「ええ!? えええええ」
あけすけな物言いに、息子はうろたえた。
サンタは、ビシっと指を養父に突きつける。
「あなたも彼を愛しているというなら、レオナルドを許してあげる。違うというなら、このアホを始末するわ」
それを聞いて、ジュリアーノは顔色を失う。
始末するって……。何をするかは分からないけど、恐ろしい響きだと思った。
「そんな……サンタなのに、そんな非道なことは止めて下さい。聖夜なんですよ」
「そんなことはどうだっていいの。私が許さないから、始末するだけよ。時間が無いんだから、早く答えてちょうだい。あなたの気持ちよ」
息子は追い詰められて口ごもった。
腕の中の気絶したままの養父を、チラリと見る。
ジュリアーノはわずかに赤面し、言いにくそうに小声でつぶやいた。
「そ、それは……その……あ、愛してます……(養父として)」
「そのカッコの中はなに?」
厳しく追求するジョルジャに、息子の顔がみるみるうちに真っ赤になってゆく。
赤面したまま、顔をそむけて目を閉じ、今度はさっきより大きい声で言った。
「愛してますってば……!(養父として)」
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