叫び声

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叫び声

次の日も怪異は続いた。 娘を近所の公園に連れて行き、戻ってくると、 「もう~!最悪なんですけど‼️」 私を見るなり妻は、手には何故か鍋を持ち、見せるような仕草をした。 「えっ?何があったの?」 訳の分からない私はそう尋ねると、鍋の入っていた台所の戸棚まで私を導き、その戸棚を開けた。 「カレー作ろうと思って、鍋を取ろうとしたら、カタカタと音がするから、引っ越しの時に何か壊れたのかな?と思って見たら、ゴキブリだったの‼️」と、涙目で怒りながら訴えた。「パパもいないし、なんとかしたけど、もう死ぬかと思った!」人一倍虫が嫌いで、ゴキブリなんか特に嫌いな妻は、引っ越しなんかしなければよかった!とでも言うような口調で、やり場のない怒りを私にぶつけました。 「まぁ~暖かくなったし、古い家だし仕方ないよ。」と慰めましたが、その後も妻は戸棚を開ける度に、ビクビクしながら夕飯を作っていました。 その夜のことです。子供の寝かしつけを終え、私もウトウトと、このまま子供と一緒に寝てしまおうかと思っていると、突然階下から、 「キャー‼️」という妻の叫び声が聞こえました。(何事だ⁉️身重の妻の身に何か起きたのか⁉️)一気に目が覚めた私は、慌てて階段を駆け降りると、妻が「そこ~!」と言って、リフォームで綺麗に白く塗られた壁を指さしました。とりあえず妻の身には何も起きていないようでホッとした私は、妻の指さす方向に目を向けてみると、そこには黒いそこそこ大きな塊が、白い壁に黒い線を描くかのように、上から下へと認めたくはないが、かなり素早い動きで駆け降りてました。 その一瞬で黒い塊の正体を認識した私は、すぐに古新聞を手に持ち、退魔の棒にして、(もう2度と現れるな!)と、その黒い塊に向かって、「バシン!」「バシン!」2度・3度と叩きつけた。
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