見極める

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項垂れ、涙を零し続ける桐山に、 「ボタンって意味がありますよね。 第一のボタンの意味って何だったと思います? 」 狐面の男はゲームを振り返るような質問をする。 その質問には、答えても無意味だと理解出来るのに、会話せざるを得ないような力がある。 桐山はボロボロの袖で涙と鼻水を拭い、 「音が鳴って…… 第二のボタンが現れる」 古い過去を思い出すように答える。 「せいかーい。 では、第二のボタンの意味は? 」 簡単な問題でしたね、と言わんばかりに軽快な口調で質問を続ける。 「チャイムが鳴って第三のボタンが現れる、だろ」 お前のペースではない、と桐山もすぐに答える。 「せいかーい。 素晴らしいですね。 では、第三のボタンの意味は? 」 桐山は言いあぐねる。 「おや? 分かりませんか? そういうところですよねー 桐山さんのそういうところが敗ける…… 」 ヘラヘラと喋る続ける口を止めたくて、 「チャイムが鳴って、 ……宮木が復活する、だろ」 最後は小声になりながらも答えると、 「ブッブー! 不正解、復活は私がお約束したご褒美で、ボタンを押したからではありません。 それに、三番目といったって最後のボタンな訳ですからそれなりの意味を持ってますよ」 狐面の男は人差し指を前に突き出し、チッチッチッと小さく左右に揺らした。
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