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エロガッパ家の長男としてこの世に生を受けた私、エロガッパ 太郎は、ごくごくありふれた河童だった。
ありふれた河童の子どもとして小学校、中学校に通い、高校時代には、少し、やんちゃもしたりしていたが、ごく普通の二流の大学で商業を学び、そして、今の会社の経理部に就職した。
妻の美雪と出会ったのは、二十代も後半に入った頃のことだった。
当時独身貴族を気取っていた私を心配した両親の薦めでした見合いの相手が妻だった。
彼女は、見合いの席でいきなり私に言い放った。
「わたし、あなたのことを好きにはなれそうにもありません」
妻の美雪のその率直な物言いと冷たいような美貌にすっかり私は、恋に落ちてしまった。
それから、必死で口説き倒してなんとか嫁に来てもらった。
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