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フゥ、と息を漏らして、また、歩き出す。
たまに視界に入ってくるポスターを眺めながら、ゆっくりと。
教室に着くとやっぱりと思うほどに八宵の机の横には
「璃乃のバカ」と書かれている付箋と共に鞄が丁寧に置かれていた。
(あっこの字、鈴香ちゃんだ。)
『鈴香』という存在は、高校生活で出来た初めての友達で、
初めて一緒に遊園地に行った大切な人だ。
ちなみに水族館は桜と行ったのが初めてだった。
ジャンバーを着て、鞄を勢い良く肩にかけた。
八宵は、電気がついているのを確認すると、黒板の近くにあるスイッチを
押しに行った。
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