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2話
最近、随分外の気温が下がってきたな……冷たい風が、体温だけじゃなくて心まで冷たくしていく気がするのは、多分私が失恋をしたから。
結局課長への気持ちを残したまま、時間だけが過ぎていく。私のこの気持ちは、時間が忘れさせてくれるものではないらしい。忘れさせてくれるどころか、時を知らせるものを見ると思い出すんだから厄介だ。
あの腕時計を見る度に、課長が誰を想っているのかを思い知らされているようで辛くなる。会わなくていいのなら会いたくないのが本音だけど、上司である以上避ける事も出来ない。
転属願いを出そうかとも考えたけど、それも嫌だと思ってしまう自分がいる。
忘れられるまでは辛いと分かっているのに、それでも仕事をするならあの人の下がいい。せめて部下として傍に居られたら……そう思ってしまう時点で、課長への思いを消す事なんて出来ないのかもしれない。
ここまで本気になってるなんて自分でも思って無かった。こんな形で気持ちの大きさを思い知るなんて、本当に残酷……尊敬だけじゃない特別な感情を持ってることには自分でも気付いていたけど、憧れ程度のものだと思ってたのに……
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