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目の前にスズメが落ちていた。
死んでいるのか。
もうすぐ死ぬのか。
まだなんとかなるのか。
小さなスズメを両手ですくい上げ胸に抱いたまま歩く。
しばらく歩くと、野良猫がヨロヨロと目の前を横切った。
野良猫の目の先にスズメを放り投げると、野良猫は後ろへ飛びのいた後、またヨロヨロと前進し臭いを嗅ぐと、スズメの首元に嚙みついて草の陰に消えた。
スズメは野良猫の為に生まれたのか。
それは運命か。
その運命はこの手で変えられるものではなかったか。
いや、それさえも運命なのか。
ヨロヨロと目の前に現れた野良猫が、スズメを咥えた途端機敏に走り出したのはどういうわけか。
スズメはなぜ、そこに落ちていたか。
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