(二)

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 新田は神経質な男で、恵美里が新田の家に上がる際、靴をきちんと揃えて脱ぐように、そしてつま先を玄関ドアの方へ向けるように直せと命令した。  恵美里はその口調を不快に感じながらも、泊めてもらうのだからと仕方がないとそれに従った。  部屋に入ると、新田はリビングのソファに乱暴に座った。そして恵美里を手招きした。  恵美里が近づくと、「もっともっと、こっちへおいで」と手招きした。  座っている新田の目の前に立つと、新田は恵美里の腰を掴んで自分の方に引き寄せた。 (続く)
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