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「ではでは、株式会社サブリーダーの創業20年を祝って、かんぱーい!!!」
山本社長の音頭で俺たちは乾杯をした。今日は株式会社サブリーダー、俺が在学時に立ち上げた会社の創業20周年記念パーティーだ。最初は5人で始めた会社だったが、会社名の通りサブリーダー人材に特化したヘッドハンティングサービスを展開したところ、思いのほかこれが多くの企業に刺さった。そして今では従業員1000人を抱える大手企業にまで成長した。
「よ!お疲れ裏ボス!」
「その言い方、今日はやめてくれよ山本。他の従業員が聞いたら勘違いするだろ?」
「勘違いも何も、お前が裏ボスなのは本当じゃねえか!今日の乾杯の挨拶だって本当はお前がやったほうが良かったと思うけどなあ」
「いや、これでいいんだ、俺は目立ちたくない」
「昔からずっとこれだからなあお前は」
そう、俺は起業し仲間を集めた時にこの山本という男を代表として立て、俺は副社長に就任した。山本は「なんでお前が作った会社なのにお前が社長じゃねんだよ!?」と文句を言ってきたが(なんなら今も言ってる)、俺は無理矢理こいつを社長にした。そして実質的に俺が権力を握り舵取りをしながら、山本には表で俺の意向通りの采配を振るわせた。これではどちらがトップか分からないが、ある意味俺にとって理想的な形になった。
権力を保持して、責任を持たず。目立ちたくない&責任取りたくない野心家にはぜひお勧めしたいが、表に出ることのない私のこのやり方を誰かが知ることはきっとないだろう、、、。
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