2番目

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 だからそんなあなたが私の誕生日を祝ってくれたのは驚いた。  「今夜うち来いよ」  いつものようにそう言うから、またいつもみたいにあなたの欲求を満たして帰るだけかと思っていた。でもインターホンを鳴らして私を招き入れたあなたが用意してくれていたのは、バースデーケーキ。  「これからも一緒にいような」  そう言ってあなたは私の欲しかった香水をくれた。だから勘違いしちゃった、私。その1時間後にあなたが私に「彼女が来るから帰れ」って言うまでは。扉を閉めるあなたは愛おしくも冷たかったわ。  その時にはっきりわかったの、私2って。  だから、消しちゃった、あなたの彼女さん。待ち伏せして、殺して、埋めてきちゃった。1番目が消えたら、くり上がりで私が1番目よね?ふふ。
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