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二階の奥の光が届かない部屋が彼女の部屋だった。
厳重に施錠されたその部屋は彼女が持つ鍵でなければ入ることが許されない開かずの扉でありその異様さからぼくはその部屋について知らないふりを続けてきたのだ。
その扉が彼女の手によって開かれ光が灯ったときぼくはその全貌があまりに簡素で拍子抜けをしたのだ。
ベッドと木でできた机と本棚しかない。それならばどおしてあんなに神経質に施錠をしていたのだろうかとあっけらかんとしていると彼女は白い衣服を脱ぎ始める。
ぼくはその姿をぼんやりと見ていた。
花柄のレース模様が肌を透かすそろいの下着姿で、彼女は緊張が入り乱れた不格好な笑顔をぼくに見下げた。
「来てくださいマスター」
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