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初めは、モンスターを育成するゲームだった。
水無月小夜が母にペットを飼いたいと、ねだったのは、小学六年生の頃だった。正直、今思うと甘い考えだったと思う。
それから母に連れられて、保護された動物を世話しているお店で、小夜は、白いチワワを気に入った。一目惚れに近い感覚だ。チワワもまだ幼く、小夜に懐いたため、飼うことが決まった。チワワの名前はちくわ。カタカナで書かれていたチワワの文字を読み間違えたことから名前は決まった。
ちくわは人懐っこく、また物覚えも良く、しつけの手間もそれほど苦ではなかった。
ちくわは小夜にとって、かけがいのない存在となった。
しかし、母や、そのママ友たちの言葉が、小夜とちくわの関係を変えた。
「ドッグショーに参加してみない?」
母からの提案に、中学生の小夜は、最初はポカンとしていた。ドッグショーが何かもわからない。
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