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「はぁ………この時間、プラモ制作に費やせたのに………」
「彼女ができない理由、それな。」
「か…………何で知ってるんですか?!僕に彼女が居ないって!」
「こんなのに居たら驚きだわ。」
「そう言ってるお巡りさんも、何だかんだ居なさそうですよね。」
「武内な。」
「…………え?」
「俺、武内 純………よろしくね、太一。」
「あ…………はい。」
…………何だかこの人のこういった馴れ馴れしさは、嫌いじゃないというか………対人恐怖症の僕からすれば丁度良く壁を壊してくれて助かるというか………相性が悪いようで、いや………本当は良かったりするのだろうか?
腕を組み、首を傾げてそんな事を考えていると純が太一の肩を叩いて注意を引いた。
「おい、来たぞ…………」
おとりになっているヒーラーさんが帰り道の途中にある公園のベンチに座りおにぎりを食べていると、いかにも怪しげな男がこんな薄暗い公園に一人で何の用か、入り口を通り過ぎ公園内に入って行った。
「トイレですかね?」
「まぁその可能性もゼロでは無いな。」
「というかあの男性よりも今の僕たちの方がよっぽど不審者だと思うんですけど。」
「達って…………君だけでしょ?」
「この僕の一体どこが不審なんですか。」
「もう…………全部。」
「………………(怒)」
太一の読み通り、その男性は公園のトイレに入っていき、出てくると一度こちらを見て公園を出て行った。
「今、見られました?」
「え、そう?」
「見てなかったんですか?今あの人こっち見てましたよね?」
「んー………良く見れないや。俺あんまり目ぇ良くないんだよね。」
「じゃあ何でこの作戦思い付いたんですか?(怒)」
「いやぁもっと簡単に捕まるもんだと思ってたからさぁ………ちょっと思ってたよりもしぶといな。何だよ………せっかく私服で来たのに………」
今日の所は一旦中止にするとヒーラーさんに告げ、二人はそのまま彼女を自宅まで送り届けた。
「飯でも食っていく?グミのお礼に奢るよ。」
「え…………いいんですか?」
「うん。」
…………いつもは制服につられてよくその顔を見たことは無かったけど、こうやってまじまじと見るとイケメンだなこの人。何か………悔しい!!
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