もう勘弁してください

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…………うわぁー………綺麗な人だなぁ………絶対回復魔法使えるじゃん………!!  信号待ちをしていた太一が、向かいの歩道に立ち同じように信号が変わるのを待っている一人の女性に気が付いた。少しだけ緩やかに巻いた前髪が着ている薄ピンク色のワンピースによく合っている。履いているパンプスは控えめなヒールの高さで明るい茶色。なんともまぁ………女の子らしい女性だ。顔も文句ない。 …………間違いなくヒーラーだよなぁ…………。半径五メートル以内に居れば五秒間HP回復できるよね。  その時、トントン……と肩を叩かれた。驚いて振り返るとそこにはお巡りさんが。「え…………」と訳が分からずその場に立ち尽くす太一を通行人達が横目で見ては通り過ぎていく。 「あ、はい…………」 「君、何をそんなにじろじろ見てたの?怪しいね、ちょっと二ヤけてたよね?」 「え………!二ヤ………けてましたか?」 「ましたね。ちょっと一緒に来てもらっていいかな?」 …………まさかの連行、からの職務質問、お説教に?………やっとの思いで解放された。これだから、こんな見た目………もういっその事、ガラっとイメチェンしようか。そうしたら皆を見返せるだろうか………いやでも、買い物になんて行ったら店員に話し掛けられるし、美容院に行ったら美容師に話し掛けられるし………怖いんだよ、人が。僕は若干の対人恐怖症だから。
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