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ステファニーはチェスターコートの肩に雪を積もらせ、転ばないよう慎重に歩いた。息を吐くと白い煙のようになるのが新鮮で、口をすぼめては吹いてをくりかえした。
黒っぽい雪でブーツが汚れることを恐れて、ステファニーは餌を探す働き蟻のように歩道を進んだ。すると出し抜けに右肩をとんと叩かれた。
「どこへ行く。うちはここだぞ」
ステファニーが歩道とつながった数段の階段をのぼると、男はのっぺらぼうの扉に息を吹きかけた。
「楽しいですよね」
男は首をかしげた。数秒後、ドアノブのあるべき位置が緑色に光り、扉が横にスライドした。
男に背中を押されたと思えば、今度は小さな女の子が飛びついてきた。ステファニーは踏ん張りがきかず、すでに閉まっていた扉に寄りかかった。
「あ……」ステファニーは無色になった息を漏らした。「いつもわたしを見ていた子……」
「そうだよ! わたしはシンディ! あなたの新しい家族よ!」
『息は外で白く、中で透明。成人男性と十歳ほどのシンディという少女に接触』
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