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試合はコールドゲームで終了した。シンディとステフのチームが圧勝したのだ。
パスはヘッドセットを外し、十枚近くのスクリーンを同時に操作した。マークは負けた悔しさに拳を握りながらも、いっぽうで不思議そうにパスの顔を覗いた。スクリーンの隙間で、パスの眉はミミズのように歪んでいた。
「わたしたちの推奨アクションと球速の設定がおかしなことになってる!」
パスはシンディの目の前で仁王立ちした。
「ズルしたわね! この卑怯者!」
終始わけがわからない様子だったマークも、パスにつられて声を張った。
「じゃあおれの勝ちだ!」
マークとパスはヘッドセットを一枚の板になるまで畳み、ポケットに入れることさえも後回しにして部屋をあとにした。
『データ改ざん後、姉の友人たちは帰宅。姉に罵られる。ステファニー型C2001番、強制スリープモードに移行』
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