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私は、咲良が死んでしまってから
ずっと色々な本を読み漁っていた。
死後の世界についての本や
輪廻転生についての本…それに
臨死体験の本や前世療法について
書かれた本も、とにかく
咲良が消えてしまったと
思いたくなくて、ありとあらゆる
本を読んで気持ちを和らげようと
必死だった。
「人間は、死んでも魂は死なないのね…(涙)」
『ああ、そうだよ。人間は死ぬけど
魂は、ずっと生きてるよ。だから、咲良も
魂の姿で今は笑っているよ。フフッ』
私の問いかけに
シロさんは、優しく笑った。
でもすぐに私は
どうしても知りたいことを
シロさんに問いかけていた。
「でも、どうして魂の姿の咲良とは
話したり、会ったり出来ないの?」
『やっぱり、それが知りたいんだね。
仕方が無いのさ。アンタ…ユキの魂がまだ
未熟だから、魂同士のつながりが弱いんだ』
シロさんは、私を宥めるように
問いかけに答えてくれていた。
「そうなんですね。私が未熟だから…
なかなか咲良に気付いてあげられなかった」
『あ、でも、四十九日は聞こえただろ?』
「あ、はい。笑い声ですよね?」
落ち込んでいる私に向かって
シロさんは、四十九日のことを
思い出させてくれていた。
『あれも、本当は苦労したんだよ。
マスターにお願いして、協力してもらって
ユキに咲良の笑い声を聞かせたんだから(苦笑)』
「マスターに? 」
『だから、ユキはこれから
しっかりと、生きないといけないんだよ!』
こんなダメな私のために
色んな力が、動いてくれている。
そう思うと今まで、悲しみに暮れて
生きる気力を失っていた自分が、とても
ちっぽけで不甲斐なく思えて仕方が無かった。
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