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◇◇
その日の夜
帰宅した家族にシロさんを紹介すると
夫の夏生も、次女の弥生も、息子の秋も
すんなりと、シロさんを受け入れていた。
「白猫ってところが、姉ちゃんらしいね。
それに、華も来るべくして我が家へ
来たって、言ってたしね。フフッ…」
『弥生は、やっぱり落ち着いてるね。
華だけじゃなく、他の猫たちの声が
聞こえたことあるんじゃないの?』
「まぁね。たまに、聞こえたことあるよ。
ママを助けてあげて! とか、私が凹んでたら
慰めてくれたりもするし…」
弥生が1番積極的に
シロさんと会話を楽しんでいて
その内容に
私は、とても驚かされていた。
だって
猫たちの声が聞こえるのは
私だけだと、ずっと思っていたからだ。
「弥生にも、聞こえてたんやね。
ママだけかと思ってたわ…(笑)」
「あ、オレも聞こえてた。たまに」
「オレもな!(笑)」
どうやら猫たちの声は
家族全員聞こえていたようだ。
『アタシが思っていたよりも
ずっと、ユキの家族は魂の記憶の
影響が強いみたいだね。だから
猫たちの声も、ちゃんと聞こえるんだ』
「魂の記憶?」
『そう、誰もが持っている
魂の記憶だよ。普通は忘れて生きて
いるけど、たまにその記憶が人間に
影響を与えることがあるんだよ』
シロさんの話に私が目を白黒
させていると、夫の夏生が優しく
私の肩を抱き寄せてくれていた。
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