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◇◇
「魂の記憶?」
私がシロさんに問いかけると
シロさんは、尻尾を左右にゆらゆら
させながら、私を見て頷いていた。
『今を生きているユキたちには、
魂とか、魂の記憶って言われても
ピンと来ないだろうね。フフッ』
「ピンと来ないと言うか…
どう受け入れたら良いのか
戸惑うって感じかも…」
「確かに。姉ちゃんが死んでからは
魂の姿でも良いから、生きていてほしい
って思ってたから、魂の存在は信じるよ」
弥生の言葉に私も夫も
秋も、強く同意していた。
『魂はあるし、咲良も魂の姿で
あちらの世界で生きてるよ。それに
また、しばらくしたら生まれ変わる。
まあ、そのしばらくがいつかは
わからないけど。咲良は、もう一度
人間として生きたいって話してたよ』
「咲良が? 本当に?」
あんなに辛い思いをしたのに
咲良は、また人間として
生まれ変わることを望んでいると
シロさんから、聞かされても
すぐには、私には信じられなかった。
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