魂の分身

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✡✡✡ 猫を家に招き入れると 我が家の猫たちは、不思議なことに 猫を威嚇することも無く どちらかと言うと、好意的だった。 『良い子たちだね。さすが、マスターが 寄こした猫たちだわ。フフッ』 「へっ?! マスター?」 『まぁ、ゆっくり話してやるからさ。 とりあえず、座りなよ。時間はたっぷり あるんだから』 猫の言葉に私が動揺しているのを 微笑して、猫はちょこんと 咲良の遺影の前にあるソファーに座った。 私は、陶器の器に水を入れて 猫の前に、そっと置いてから座った。 『咲良を愛してたんだね。それも凄く愛してた』 「はい…。私には、もったいない娘でした… 今でも、死んでしまったなんて信じられません」 『咲良は、ちゃんと生きてるよ。魂の姿で アタシはその咲良の魂の分身から生まれた猫さ。 だから良くわかるよ。咲良への愛の深さも、 アンタの悲しみもね』 優しい猫の言葉に 私は、涙を流しながら答えていた。 そして、猫が咲良の魂の分身だと 聞かされて、 更に声を上げて私は泣き崩れていた。
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