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そこから続きは言えなかった。
突然大きな風の音がして、窓ガラスが震え出す。
ガタガタと、まるで噛み合わない歯のような音に思わず僕は兄を引っ張り下ろした。
瞬間、何かが割れる音がけたたましく聞こえ、その場に蹲り目を強く瞑る。
声すらあげられないくらいの風の音。机や椅子ががたがたと揺れる音。
そして心臓がどくどくなる音がやけに大きく聞こえてきて。
……やがて音が止み、辺りがしんとすると目を開き周りを確かめた。
酷い有様だった。整われていた机や椅子はバラバラに飛び散り、窓ガラスの破片も床にちらばっている。
まるでこの中で嵐でも起こったかのような悲惨な状況に呆気に取られていると、小さく呻き声を上げながら兄が上半身を起こした。
(;`・ω・´)「っ、てぇ……何が起こった?」
(;´・ω・`)「わ、わかんない……兄さん大丈夫?」
(;`・ω・´)「ああ、降りた時ちょっと足打ったくらいで俺は無事だ……お前は?」
(;´・ω・`)「僕も大丈夫……けど、今の何……?」
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