2.平凛の結婚宣言

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2.平凛の結婚宣言

 足の怪我は幸い捻挫と打撲で済み、一日だけの入院となった。退院の日、あの変態男が同じ病院にいると聞いて、(今会っておかないと、逃げられたら困る)と会いに行く事に決め、車椅子で病室に行くと、その男は岡野孝一という名前らしく、横には病院なのに女まではべらしている…。(この男、どこまで女好きの変態なんだろう…) と平凛は思ったが、こんな男でも最初に私を汚したのだから、責任を取ってもらわないと…と思い直し、 「責任取って結婚してもらいます!」と宣言して帰った。  自宅に帰ると祖父の是真に呼ばれ、何があったのか詳細を聞かれたので、平凛はいきさつを話したところ、是真は、 「お主はその男の嫁になるのじゃ。何としてでもその男を夫とせよ。わかったの」 との命令を受けた。  神宮寺家ではこの是真が当主で、その命令は絶対だ。平凛はそれから程なくしてその男が同じ街に住んでいる駐在さんがその男だったと知る。  平凛は、(警察官てみんな変態なのかな…)という印象を受けたが、是真の命令は絶対だし、(これも運命か…私って不幸だわ…) と自分の運命を呪いたくなった。
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