【~個人的理想/思考編(二十七こ)~】

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【~個人的理想/思考編(二十七こ)~】

二十四■タイトルから物語が想像できるか? できない場合は、響きやニュアンスでも勝負できそうか? タイトルに対して、あらすじが面白そうか? (おと)っていないか? を改めて見直す。ただしこの時の面白さは、あくまでも『そう』に留める。最終的に面白さを定義するのは読者だと、自覚し続ける。『これ本当に面白いのか?』対策。 二十五■同じ日に何度も推敲するのではなく、日・時間帯・場所などを変えて、様々な環境で読み直し続ける。できうる限り、様々な媒体(ばいたい)で読む。(スマホ・タブレット・パソコンなど) 二十六■プロット作成時に決めたテーマ通りに書けているか、確認する。この時に、テーマ・ジャンルを混同してしまっていないかも、同時に確認する。テーマは読者に伝えたい内容、ジャンルはその結果として現れた分類、として区別する。 二十七■強調したい場面では描写を細かくし、強調したくない場面(ミスリードを招く可能性がある言い回しなど)では、添削をする。 二十八■本当に字下げができているかどうか、半角になっていないかの確認も兼ねて、字下げ箇所全てを全角で書き直す。 二十九■結末以外でも盛り上がれる場面があるかどうか、確認する。なければ読者はそこまで読んでくれない。作品を不発花火のようなものだと心得る。一ページ目を楽しんでもらえたから、二ページ目を読んでもらえるのだと頭に叩き込む。次もその次も、その次の次のページについても同様。 三十■読者の予想を裏切れているか? 逆に、期待は裏切らずに書けているか? 色々な想像をしながら読み直す。そしてできうることなら、プロット・執筆段階の時よりも良い内容に書きえて、自身をも裏切る。自信は裏切らないように注意する。 三十一■一回の推敲で、全部を良くしようとは思わないようにする。推敲ごとに、注目して読む部分を決める。なぜなら、目は二つでも脳は一つしかない。当たり前である。でもその当たり前に気づかない程に没頭するのが、推敲でもある。要注意。 三十二■感想をもらえた場合は、作品と同じくらいに読み返す。そして、作品と交互に読む。次に感想を書いてくれるかもしれない人が、より良い物語を見られるように見返す。読者からのバトンを捨ててはいけない。ただし、バトンの振り方はあくまでも自身が選ぶこと。 三十三■感情的に読み直す・客観的に読み直す・時間の許す限り極力読み直す。読み直すのが億劫(おつくう)な場合、プロットで失敗している可能性が高いので、推敲をしない。 三十四■好まれるだけの文章になっていないか? 嫌われるだけの文章になっていないか? また、同情・共感・理解・納得を文章で強要していないか? を確認する。誰でも書ける文字だからこそ、誰にも書けない文章として書き直す。 三十五■自身が読みたくて書いた文章なのか? 色々な人に読まれたくて書いた文章なのか? 読み直す中で再確認をする。宛先不在の物語を自身の元まで運び直してくれる人は、どこにもいない。 三十六■推敲の、『より良くする』の『良く』に囚われすぎないようにして読み直す。良い文章を求めるだけなら、辞典を読んだほうが効率的。 三十七■大幅に推敲をする場合、本文ではなくプロットを見直す。加筆の地震にプロットとしての耐震性があるかどうかを、よく考える。 三十八■全文を読み通して、自身の癖・特徴・持ち味が欠片でも表現されているかどうかを、意識して読み直す。表現されていない場合、自己満足だとしっかり割り切る。 三十九■コンテストなどに応募する文章の場合は、過去の受賞作と作品を読み比べる。主催者側から何が求められているかを考察する。最初の数ページで、期待感を僅かでも持ってもらえるかどうか? 冒頭を念入りに見直す。読まれる作品になっているか? よりも、読まれない作品になっていないか? を注意して読む。 四十■尊敬する作家さんが居る場合は、その人の本を読む。観察箇所ごとに付箋(ふせん)を貼り、注目内容をその付箋へと数文字で書いておく。そして作品と付箋箇所を読み直し・読み比べて、何が足りないか? 何が欠けているか? を考える。この時、本と憧れを一旦隅に置く。超えるつもりで考える。憧れられる側の文章を書けるように考える。考えついたら、隅から本と敬意を棚に戻して、自身の持ち味を崩さないように作品を書き直す。他ならない自身の文章を読んでくれる人を想像して、書き直す。 四十一■シナリオの場合は、根本的に文章で表現するべきものなのかどうか? を意識して見直す。音・絵・媒体の役割を、常に頭に入れながら読む。地の文は短くする。読点は、意味よりも一呼吸の間のほうに重点を置いて、書き直す。バンドのヴォーカルのイメージ。独唱は避ける。 四十二■起承転結で上手くまとまっていない場合、序破急で修正してみる。逆も(しか)り。ただし、型に(とら)われすぎると発想が死ぬ。お皿選びと同じ。 四十三■登場人物の印象のみで、文章がまとまらないようにする。逆に、設定だけで文章がまとまらないようにも注意する。あくまで、物語として面白いか? として読み直す。この時、小説でしか表現できない面白味があると、なお良い。 四十四■文字数が数万時に達している場合、推敲→添削ではなく、添削→推敲の順で書き直す。どうしても添削できない場合は、自身が、見知らぬ人の作品を同じ文字数でも読むかどうか? を基準に今一度読み直す。億劫になった場合は、プロットへ目を通してみる。 四十五■速読してみてテンポが遅いと感じたら、早めるよう書き直す。意味がわからなくなった場合、設定を見直す。ただしこの時、テンポは面白味以上に、個人個人の中で違いが生まれやすいものとして考える。 四十六■最低限、読了目安時間の十倍を、推敲時間へ使うつもりで読み直す。現代において、文章で読まれることの有難みを意識しながら、読み直す。ただしこの時、へりくだりすぎてはいけない。 四十七■推敲ではなく単純に、『読みたくて読んでいた』状態になったら、その時点で推敲をやめる。それ以上の推敲は、道端(みちばた)にレッドカーペットを敷くようなものである。 四十八■一作品に似たような展開が二度も書かれていないか確認する。二度以上書かれている場合は、対比がでているかどうかを意識して読む。でていない場合、叙述(じよじゆつ)や伏線などの意図がない限り添削する。 四十九■お金を貰えれば読みたい文章かどうかとして読む。クリアできたら、無料でなら読みたい文章かどうかとして読む。クリアできたら、お金を払って読みたい文章かどうかとして読む。ただしあくまで、基準とする。 五十■読んでいる最中、推敲へ努力していると感じた時点で、プロットを練り直す。努力はしない。
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