【プロローグ】

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 夏になると心霊や都市伝説を扱うテレビ番組が放送されるのが風物詩だ。 最近はあまり地上波では見ないけれど、僕が子供の頃は毎年やっていた。  オバケが写った写真だの、陰謀論だの、呪いの絵だの、よくもまあ毎年ネタが思いつくなと呆れるほどだ。  オバケが写った写真なんてフォトショップで簡単に作れるし、陰謀論なんて精神をきたした人の妄想だ。呪いの絵にしたって見たものは死ぬだの、持ち主が次々に亡くなっただの噂話ばかりで、肝心の確証がない。  こんな馬鹿げた話を本気で信じるのはよっぽどピュアな心の持ち主か余程の馬鹿だけだ。  僕は今までずっとそう思ってきた。  あの絵の女の子と出会うまでは。
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