38人が本棚に入れています
本棚に追加
「ああ、エアコンと冷蔵庫とテレビと洗濯機ね。冷蔵庫と洗濯機はベンちゃんも運ぶの手伝ってよ」
「分かってるって。重いよね」
早速作業を開始した耀と晃を見ながら、早紀は不思議な気分がした。
(2個下にこんな後輩がいたの、私、知らなかったな)
耀と晃はどうやら自分を知っているらしい。生徒会長をしていたので、それで覚えられていたのかもしれない。
「紅柄さん! 私もお手伝いします!」
早紀もそう言って2人に続いた。
「ああ、ありがとうございます――。でも、重いからここは男手だけで大丈夫です――」
耀が晃と冷蔵庫を運び出したのを、早紀は「ふむ」と見る。
確かに男手で間に合っていると言われたら邪魔になりそうだ。
「じゃあ、段ボールまとめてテープ貼っておきます。あと、ゴミ袋は紅柄さんのトラックの荷台ですよね?」
「ええ? それ、僕の仕事ですけど……」
「何言ってるんですか! 手が空いている人間が動けば、時間が短縮できますよ!」
そう言って嬉しそうにゴミ袋を持った早紀は、どこか頼りがいのある先輩の雰囲気がした。
最初のコメントを投稿しよう!