仕上げです

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「ああ、エアコンと冷蔵庫とテレビと洗濯機ね。冷蔵庫と洗濯機はベンちゃんも運ぶの手伝ってよ」 「分かってるって。重いよね」  早速作業を開始した耀と晃を見ながら、早紀は不思議な気分がした。 (2個下にこんな後輩がいたの、私、知らなかったな)  耀と晃はどうやら自分を知っているらしい。生徒会長をしていたので、それで覚えられていたのかもしれない。 「紅柄さん! 私もお手伝いします!」  早紀もそう言って2人に続いた。 「ああ、ありがとうございます――。でも、重いからここは男手だけで大丈夫です――」  耀が晃と冷蔵庫を運び出したのを、早紀は「ふむ」と見る。  確かに男手で間に合っていると言われたら邪魔になりそうだ。 「じゃあ、段ボールまとめてテープ貼っておきます。あと、ゴミ袋は紅柄さんのトラックの荷台ですよね?」 「ええ? それ、僕の仕事ですけど……」 「何言ってるんですか! 手が空いている人間が動けば、時間が短縮できますよ!」  そう言って嬉しそうにゴミ袋を持った早紀は、どこか頼りがいのある先輩の雰囲気がした。
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