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十年前の八月十五日。
残暑きびしく、名称ばかりは楽しい夏休みだけど、大学進学をめざす高校生達にとっては追い込みの、苦しい夏休みの終盤に入った時期に惨劇は起きた。
8月15日。午後17時18分頃。
県立種田西高等学校3年4組の引率する先生と生徒ら男女36名を乗せたバスが、合宿先である青年自然の家から高校に帰途した直後事故にあった。
発生した場所は県立種田西高等学校の教職員の自動車やバイク、及び自転車通学の生徒たちが通用門として使用される南門外の路肩上。
門前で停車したバスから生徒たちが降車をはじめていたところ、片側2車線の表通りを市内に向けて蛇行しつつ進行していた、弗化水素を満載したタンクローリーが突如スピードを上げ右に大きく転舵。
そのまま猛烈なスピードで反対車線に停車したばかりのバス右側面中央部に横合いから斜めに突き刺さるようにして衝突した。
現場にブレーキ痕はなく、事故の原因は死亡したタンクローリー運転手の過労による居眠り運転だったものと種田警察署では推測している。
県立種田西高等学校によると青年自然の家での合宿は、大学受験に向けたカリキュラムが毎年組まれており、昨日事故に巻き込まれた進学クラスの3年4組をはじめ、3年生の進学希望の生徒の大半が日数を分け参加する予定であった。
以上。8月16日の朝刊より抜粋。
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