川村茉莉亜。
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「入らないのかい?」 「…え?」 扉を開けた宮藤さんに穏やかに問われ、あたしは過去の現実から現在の現実世界に引き戻される。 「怖いのかい?」 「大丈夫です」 あたしは一歩、また一歩。 目を瞑り教室へと足を踏み入れた。 《……めで…と…》 隙間風かも知れない。 そう感じた人っぽい
音
(
ね
)
が空虚な教室を駆け抜けていった。
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