脱・我儘ボディ

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ランニング兼ウォーキングを始めて分かった事。早起きしてランニングをしている人は、日課にしている人が殆ど。 私の様に不純な動機の人なんて、いないように見えた。 私が疲れてしまい、歩いて家路に着こうとすると、私に「おはようございます」と男性が声をかけてきた。 私は学校帰りにナンパなんてされた事がないので、早朝から宗教の勧誘かもと訝しげに男性を見た。 その男性は明らかに私より年上で、人懐っこい笑顔の男性だった。 背が高く、茶色がかった髪。 絶対に女に困らない部類の人間。 無視をして何されるかわからないので、挨拶を返した。 「おはようございます」 「2週間位前から走り始めたよね?」 「はい。」 私は関わり合いになりたくなくて、やんわりと拒絶をした。 「私は疲れて歩いているので、気にしないで走って下さい。」 「僕もクールダウンに歩くから、一緒だね」 「はぁ。」 世の中には人との距離感をいきなり詰めてくる人がいるけれど、彼はそのタイプなんだと半ば呆れて見つめると彼が焦って言った。 「そんなに警戒しないで!宗教の勧誘じゃないからさ。」 私は警戒心を更にランクアップした。 そして、彼は満面の笑みで言ってきた。 「最初の頃より痩せたみたいで、頑張ってるね。でも、ここでやめたら君の成果が台無しだから続けたほうがいいよ! 健康にもいいし、僕みたいなイケメンに会えるし。ね?」
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