電柱

1/1
前へ
/1ページ
次へ
あと少し、少しだけ手を伸ばせたら それが叶わないから今日もあなたを陰から見ている 誰よりもあなたの近くにいるのに話しかけることができない こんなに大好きなのに…! ああ、大好き、だいすき、ダイスキ!! なんで雌豚どもは私の大切な人に近づくの!? あんな奴いらない!一番近いのは私じゃないといけないの!! 何をやってもあいつらは近づいてくる! …ほら、もうあいつらがいなくなったよ、二人っきりだね やっとこっちを向いてくれたのに、なんでそんなに怯えているの? ほら、そんな顔しないで… 「なんだよ、この真っ黒な塊!!!!」 俺の目の前には確かに動いている黒い塊がいる 中心辺りに突起が二つある程度で、あとはドロッとした雰囲気の塊だ 手を伸ばしているようにも見えるが到底届きそうもない 俺の横には親友が確実に居るはずなのに、こいつはこれが見えてないのか!? 「なに言ってんのお前、そこにある黒いものっていったら影くらいしかないだろ」 ………は、どういうことだよ…
/1ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加