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「俺は…たえられない」
「壱流…」
「怖いんだ。完全な吸血鬼になるのが。…俺は元々ただの人間だったんだぞ。それがいきなり裏社会に無理やり…。俺には、すべてを支えることなんてできない。覚悟を決めろっていうほうが無理だ」
「……」
「だからこのまま死なせてくれ。俺の意識がはっきりしてる今のうちに…殺せよ、闇華」
「だめ!!」
「!?」
私は壱流にキスをした。
「すべてを1人で抱えようとしなくていい。私がいる!吸血鬼になるのは私も同じ。まわりが…知ってる人が自分より先にいなくなるのは寂しい。だけど、それなら思い出を作ればいい。思い出は消えたりしない」
「闇華…」
「私が壱流を受け止める。あなたの罪も罰もすべて。だから…私を吸血鬼にして」
「っ……わかった。後悔しても知らないからな」
「……ッ!!」
鋭い牙が私の首筋に…。
それは今までのどの吸血よりも痛く、深い。
まるで暗闇よりも暗く、海の底にいるみたい。
あれ?こんなときにどうして壱流が以前いっていた言葉を思い出すんだろう?
これは、壱流が死なないためにやる儀式。そして、私が吸血鬼になるための契約。
後悔なんてしない。だって、永遠に壱流と……好きな人といられるんだから。
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