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毎日少し違う時間の電車に乗ってみた。
車両も変えてみた。
見付からない・・・
もっと時間を変えてみよう・・・
30分も早い時間で・・・やっと・・・見付けた・・・
「おはよう。」
彼女はビクッとした。
「あっ・・・おはようございます。」
彼女は目を合わさず下を向いている。
僕は小声で聞いた。
「時間変えたの? 」
「・・・はい。」
「どうして? 」
「・・・」
「会いたかった・・・」
「えっ? だって彼女さんが・・・」
「ん? いないよ。」
「一緒にいるところを見ました。仲良さそうに話しをしてたから・・・」
「もしかして、妹・・・」
彼女はやっと僕を見た。
「えっ? ・・・」
「妹が田舎から出てきていたから、その時かな。」
「・・・」
「ねえ、僕たち同じ想いじゃないのかな。」
僕はそっとドアドンをしている手とは別の手で彼女を抱きしめ、さらに耳元でささやいた。
「ちゃんと会おう。」
彼女は恥ずかしそうにしながらもうなずいた。
「もう少しで、勘違いで終わるところだったね・・・」
end
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