満員電車

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 あの日から毎日、またあの状況にならないかと期待しながら電車に乗る。でもそんな偶然はやってこない。 どうすれば・・・  彼が乗って来る駅で、ドアが開いた。私は一度ホームに降りる。 ドっと降りる人、そして乗り込む人。私は最後に頑張って乗り込みドアの側を死守する。すると例の彼が駆け込んできた。私のところに・・・ 彼が乗れるように私も必死で乗客を押し込んで一人分の隙間を作る。 私は少し斜めにドア側を向いている。彼は私の方を向いている。まるで抱きしめるように・・・ この状況・・・うれしい・・・どうしよう・・・ 彼は走ってきたのか息遣いが伝わってくる。そして私に触れないように、必死で手すりを掴んで体制をこらえている。 電車が動き出し、うれしいことに電車が揺れて私は彼の胸の中に飛び込んだ。 「きゃっ。」 「大丈夫ですか。」 「すみません。」 「いえ、僕は・・・」 初めて会話をした。優しい声・・・彼の臭い・・・ これで今日は一日幸せでいられる・・・ 直ぐに次の駅に着いてしまい、ホームに押し出された。 はぁ~。 ため息が出る。 もう一度・・・は・・・ない・・・
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