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奏美は私に、
「今のって…」
私は奏美から視線を外し、自転車を押してガレージに入れた。
「ねぇ、今のってさ」
奏美は私の傍にまとわりつく様にして訊いた。
「自転車屋さんでしょ。修理に出してたんだよ」
「嘘」
奏美は私の前に回り込んで私の顔を覗き込んだ。
「あれはサクラじゃん」
私は咳払いをして自転車に鍵を掛けた。
「似てるけど、違うよ。あれは自転車屋さん。壊れた自転車をピカピカに復活させてくれたんだよ」
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