クロノスからの招待状

1.クロノス

個室の中には座り心地の良さそうなリクライニングチェアと、椅子備え付けのテーブルが4台設置されていた。

ダイブする前にいくつか確認したい事があるからまず座って、と直に促され、3人はリクライニングチェアに腰掛ける。
「皆さん“クロノス”にダイブするのは初めてだと聞いたので、まずはダイブのやり方から説明します。テーブル下の引き出しにヘッドギアが入っているので出してもらえますか」

そう指示されて明日香は引き出しからヘッドギアを取り出す。
例えるならサングラスが付いたヘルメット、という感じだろうか。でもそこまで重くはない。
「“クロノス”にダイブする時は必ずこのヘッドギアを装着します。ヘッドギアなしでのダイブは意識が戻らなくなる危険性があるので絶対にやらないで下さい」

直は説明を続けた。
「さらに20才以下のプレイヤーは身体への負担を考慮して3.5時間以上のダイブは禁止されています。なので、今日はまず“クロノス”に慣れること、ゲームをプレイするために“ギルド”というチーム登録をすること、どんなゲームかを知ること。この3点に目的を定めてダイブしようと思うんですが、良いでしょうか？」