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ゆかりが直に同意する。
「そうね。直くんの言う通り、時間の制約があるなら目的を持ってプレイする方が私も良いと思う」
だが、明日香の頭の中は違うことでいっぱいだった。
本来ヘッドギアなしでダイブしてはいけない場所に、お姉ちゃんの意識が吸い込まれたのだとしたら、一体いつまで消えずに残っていられるんだろう?
「……お姉ちゃん、大丈夫かな?」
思わずそんな呟きをこぼした明日香を、大輔がなだめる。
「今日香のことも確かに心配だけど、闇雲にプレイしても良いことはないと俺も思う。だから今日のところはまず慣れるとこから始めよう。な?」
確かにみんなの言う通りだ。
まずは、出来ることをひとつずつやって行こう。
焦る心をどうにか落ち着けてから、明日香は頷く。
「うん。……話の途中で割り込んでごめんね」
「いいよ。気にしてない」
首を横に振った直は、小さく微笑んだ。
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