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直にヘッドギアの起動方法からダイブまでの手順についてレクチャーを受けた後、明日香達4人はヘッドギアを装着し、リクライニングチェアに身体を預けた。
黒一色のサングラスもどきに視界を遮られるせいで、目の前には漆黒の闇だけが広がる。
ヘッドギアの右耳部分にある電源ボタンを押すと、微かな起動音の後、機械的な音声が耳許で響いた。
『Welcome to the “Kronos”』
意識ごとダイブするって、どんな感じなんだろう?
明日香の中でだんだん緊張と不安が高まっていく。
『Are you ready?』
だけどはじめの一歩を踏み出さなければ、姉を救うことなど出来ない。
覚悟を決めて、明日香は言った。
「Yes!」
音声が告げる。
『OK.Let's Dive!!』
その途端、まるで映画でよく見るワープシーンみたいに、無数の光の線が明日香に向かって放たれた。
あまりの眩しさに目がくらむ。
次の瞬間、明日香の目の前には、映画館のロビーの巨大版みたいな広大な空間が広がっていた。
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